※のプログラムは当日R&Dフェア専用のYoutubeにてライブ配信いたします。
オープニングセレモニー
11/5(木)13:00-13:20
主催者挨拶

けいはんなR&Dフェア実行委員会 実行委員長
関西文化学術研究都市推進機構 常務理事
中川 雅永
共催者挨拶

情報通信研究機構 理事長
徳田 英幸 氏
来賓挨拶

総務省 近畿総合通信局長
髙野 潔 氏
来賓挨拶

京都府相楽郡精華町 町長
杉浦 正省 氏

スーパーコンピューター富岳による
新型コロナウィルス治療薬候補の探索
京都大学大学院医学研究科 ビッグデータ医科学分野 教授
理化学研究所 科技ハブ産連本部 副プログラムディレクター
奥野 恭史 氏
現在も、国内外において、ワクチンや医薬品など新型コロナウイルスの治療法の開発が日夜進められている。我々もその一端を担うべく、今年4月よりスーパーコンピュータ「富岳」を武器に、新型コロナウイルスの治療薬の探索を行ってきた。本講演では、「富岳」による新型コロナウイルスの治療薬探索など我々の最近の研究について紹介する。
略歴:
- 平成5年
- 京都大学薬学部卒業、同大学大学院薬学研究科進学
- 平成12年
- 博士(薬学)学位取得
- 平成13年
- 京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター 博士研究員、助手
- 平成15年
- 京都大学大学院薬学研究科 助手、准教授
- 平成20年
- 京都大学大学院薬学研究科 寄附講座 特定教授
- 平成25年
- 先端医療振興財団 先端医療センター研究所
シミュレーション創薬グループ 客員グループリーダー
- 平成25年
- (現)理化学研究所 計算科学研究センター 客員主管研究員(併任)
- 平成26年
- 京都大学大学院医学研究科 寄附講座 特定教授
- 平成26年
- 理化学研究所 生命機能科学研究センター 客員主管研究員
- 平成27年
- (現)神戸医療産業都市推進機構 クラスター推進センター
連携・事業化推進グループ 客員部長(併任)
- 平成28年
- 理化学研究所 科技ハブ産連本部
健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム
融合研究推進グループディレクター
- 平成28年
- 京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻
ビッグデータ医科学分野 教授(現職)
- 平成29年
- (現)理化学研究所 科技ハブ産連本部 医科学イノベーションハブ推進プログラム 副プログラムディレクター(併任)
受賞:
- 令和2年度
- 第2回日本オープンイノベーション大賞 厚生労働大臣賞
- 平成23年度
- 第43回市村学術賞
- 平成21年度
- 文部科学大臣表彰 科学技術賞(科学技術振興部門)
- 平成20年度
- 日本薬学会 奨励賞
- 平成20年度
- 第8回バイオビジネスコンペJAPAN 優秀賞
- 平成18年度
- 日本薬学会 薬学ビジョン部会 部会賞

第6期科学技術・イノベーション基本計画の
検討の方向性について
内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 常勤議員
上山 隆大 氏
現在内閣府で検討を進めている次期科学技術・イノベーション基本計画(2021年度から2025年度が対象)では、Society 5.0を皆で実現し、未来をより良いものとしていくための科学技術・イノベーション(STI)政策の在り方を提示する。本講演では、基本計画の検討状況を紹介するとともに、イノベーションエコシステムの強化策など、具体的なSTI政策についての意見交換も行う。
略歴:
1958年大阪生まれ。大阪大学経済学部経済学科博士課程修了。スタンフォード大学歴史学部大学院修了(Ph.D. )。上智大学経済学部教授・学部長、慶應大学総合政策学部教授、政策研究大学院大学副学長を経て、2016年4月から現職。スタンフォード大学歴史学部・客員教授、東北大学工学部大学院工学研究科客員教授などを歴任。主な著書に『アカデミックキャピタリズムを超えて:アメリカの大学と科学研究の現在』(NTT出版、読売・吉野作造賞)などがある。専門は、科学技術政策、科学技術史、公共政策、イノベーション政策、高等教育論。
With コロナ時代の研究開発と産学官連携
パネリスト

京都大学大学院医学研究科 ビッグデータ医科学分野 教授
理化学研究所 科技ハブ産連本部 副プログラムディレクター
奥野 恭史 氏

同志社大学 赤ちゃん学研究センター 文部科学省 共同利用・共同研究拠点 准教授
加藤 正晴 氏

内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 常勤議員
上山 隆大 氏

総務省 近畿総合通信局長
髙野 潔 氏

木津川市 副市長
田中 達男 氏

大阪大学先導的学際研究機構 教授
株式会社コトバデザイン 取締役会長
栄藤 稔 氏

情報通信研究機構先進的音声翻訳研究開発推進センター 研究開発推進センター長
木俵 豊 氏
モデレーター

けいはんなR&Dフェア実行委員会 実行副委員長
情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所 研究所長
内元 清貴 氏

トクホ・健康食品の開発研究
サントリーウエルネス株式会社
健康科学研究所 部長
櫓木 智裕 氏
保健機能食品や健康食品はこれまで、特定保健用食品(トクホ)の導入やサプリメントのブームなどを経て市場を拡大してきました。2015年には食品の新たな機能性表示制度が施行され、メーカーの責任のもと特定身体部位の健康維持・増進機能を表示することが可能となりました。弊社では高齢者の脳や脚の健康、中高年の健やかな生活を目指して食品の開発研究を進めています。本講演ではその内容についてご紹介しますので、皆さんの健康食品に対する理解を深めることに役立てていただけたらと思っています。
略歴:
1967年 生まれ。京都大学大学院農学研究科農芸化学専攻 博士(農学)。1993年 サントリー株式会社へ入社。医薬事業部にて探索研究、続いて、臨床研究に従事する。その後、2004年から健康科学研究所にて、食品素材の機能性と安全性のメカニズム解析に取り組んでいる。

180度の超広視野で明暗が
くっきり見える光学シースルー HMD
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 情報科学領域
サイバネティクス・リアリティ工学研究室 教授
清川 清 氏
屋外などの明るい場所でも常に鮮明な映像が視野いっぱいに見えるシースルーHMDのしくみを考案しました。まだ被れるほど小さくありませんが、観光や建設などで活躍する未来のメガネの基礎技術です。
略歴:
- 1994年
- 大阪大学基礎工学部三年次中退
- 1996年
- 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士前期課程修了
- 1998年
- 同博士後期課程修了。博士(工学)、日本学術振興会特別研究員
- 1999年
- 通信総合研究所(現情報通信研究機構)研究官
- 2001年
- ワシントン大学ヒューマンインタフェーステクノロジ研究所客員研究員
- 2002年
- 大阪大学サイバーメディアセンター助教授.2007年同准教授
- 2017年
- (現)奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 情報科学領域 教授

多言語翻訳技術の進化と2025年に
実用化を目指す同時通訳技術の研究開発
情報通信研究機構 先進的音声翻訳研究開発推進センター
先進的音声技術研究室 室長
河井 恒 氏
近年のニューラルネット技術の発展により、音声翻訳技術は、日常会話に関して急速に実用レベルに達しました。音声翻訳技術の要素技術である音声認識技術は、限定された条件下では人間の文字起し能力を超え、機械翻訳技術は、TOEIC 900点に到達し、音声合成技術は、ほぼ肉声レベルの音声を合成できるようになっています。
本講演では、音声翻訳技術のこれまでの進化と現状について、専門外の人向けに解説します。特に、音声認識精度と人間の文字起し能力を比較した実験の結果は、初公開となります。さらに、NICTが2025年における社会実装を目指して研究開発を開始した同時通訳技術について概要を紹介します。
略歴:
1989年、大学院博士課程修了。博士(工学)。同年4月、国際電信電話株式会社(現KDDI株式会社)入社。研究所において音声合成、音声認識の研究に従事。2000~2004年、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)に出向し、音声合成の研究に従事。2014年10月よりNICTに出向し、現職。

社会課題の解決を目指した
大規模自然言語処理技術
情報通信研究機構 フェロー
鳥澤 健太郎 氏
本講演では、情報通信研究機構データ駆動知能システム研究センターにて、連携研究機関、連携企業とともに、社会課題の解決を目指して開発を進めているマルチモーダル音声対話システムMICSUS、防災チャットボットSOCDAを中心に、これまで開発、公開、ライセンス供与等を行ってきた一連の大規模自然言語処理システムや、それを支える技術についてご紹介をします。
略歴:
1992年東京大学理学部情報科学科卒。1995年東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻中退。同年同専攻助手。その後、科学技術振興事業団さきがけ研究21研究員(兼任)、北陸先端科学技術大学院大学助教授、同准教授を経て、 2008年より情報通信研究機構(NICT)MASTARプロジェクト言語基盤グループ・ グループリーダー。その後、機構情報分析研究室室長を経て、現在、同機構データ駆動知能システム研究センター・センター長。2020年よりNICTフェロー。一貫して自然言語処理の研究に従事。近年は自然言語処理を用いた Web上の大量の文書からの知識獲得、ならびに獲得された知識を活用するアプリケーションに関する研究に従事。日本学術振興会賞、文部科学大臣表彰科学技術賞、志田林三郎賞、ドコモ・モバイル・サイエンス賞先端技術部門優秀賞、前島密賞、Twitter Data Grantsなど受賞。日本学術会議連携会員。

小惑星探査機はやぶさを通じた
科学コミュニケーション
和歌山大学 観光学部 観光学科
教授
尾久土 正己 氏
小惑星探査機「はやぶさ」は打ち上げ前から前例のないいくつかの科学コミュニ ケーションの取り組みが行われていた。本公演では、それらの取り組みの中から 講師が関わった音楽と映像の取り組みについて紹介するとともに、近年、急速に 注目され始めている天文観光を宇宙探査の科学コミュニケーションに活用する可 能性について議論したい。
略歴:
1961年岡山県生まれ、大阪育ち。大阪教育大学卒業後、高校教員を経て 1990年から兵庫県立西はりま天文台公園研究員、1991年、同主任研究員。1995年から和歌山県美里町(現紀美野町)のみさと天文台の天文台長。2003年から和歌山大学学生自主創造科学センター教授、2007年同センター長。2008年観光学部に異動。
2019年から観光学部長。現在、星空などを活かした観光である「アストロツーリズム」とドーム映像などを使った「ヴァーチャル観光」の研究を行っている。
スポーツの新しい楽しみ方を提案し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会イノベーション推進室アドバイザーに就任している。

小惑星探査への挑戦:
「はやぶさ」から「はやぶさ2」へ
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所
宇宙機応用工学研究系 准教授
吉川 真 氏
2010年6月に地球への帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」は、数々の試練を乗り越え、小惑星イトカワのサンプルを持ち帰りました。その功績は、日本だけではなく世界の人々に大きな感動を与えました。そして10年後の今、2014年12月3日に種子島宇宙センターから小惑星リュウグウに向けて打ち上げられた「はやぶさ2」が、6年の歳月をかけて地球に帰還しつつあります。
リュウグウのサンプルを搭載したカプセルは、12月6日にオーストラリアに着地予定です。
「はやぶさ2」そのものは、そのまま宇宙飛行を継続し、新たな目標へと旅立ちます。
「はやぶさ2」のミッションとは何か、リュウグウとはどのような小惑星か、「はやぶさ」から「はやぶさ2」へどのような挑戦があったのかなどについて紹介します。
略歴:
宇宙航空研究開発機構、宇宙科学研究所、准教授。理学博士。「はやぶさ2」ミッションマネージャ。1962年、栃木県栃木市生まれ。東京大学理学部天文学科卒業。同大学院卒業。日本学術振興会の特別研究員を経て、1991年からは郵政省通信総合研究所に勤務。1996年にはフランスのニース天文台に1年間派遣。1998年に文部省宇宙科学研究所に異動。2003年10月からは、組織の統合により現在に至る。専門は天体力学。「はやぶさ」や「はやぶさ2」等の太陽系天体探査ミッションを中心に惑星探査関連の研究をしている。また、天体の地球衝突問題(プラネタリー・ディフェンス)についても研究を進めている。
科学誌「Nature」が選ぶ2018年の10人(The 2018 Nature’s 10)に選出された。